「本当の「才能」とは?「人よりもうまくできること」ではない?」にて、「才能」のように思えても実は「才能」ではないものや、本当の意味での「才能」の特徴を確認してきました。
しかし、実際に自分自身の「才能」を見つけるにはどのような方法があるのでしょうか?
こちらでは、具体的な方法をもちいて自身の持つ「才能」にアプローチしていきます。
自分だけの本当の意味での「才能」を特定するためには、いくつかのステップを踏む必要があります。ここからは細かな作業も必要となってきますので、まとまった時間があるときにお試しください。
診断ツールの活用
世の中には、さまざまな目的から自分の特徴を見つけるために開発されたツールがあります。まずはそれを活用して「才能」を探してみましょう。
例えば、就職・転職サイトでは、求職者が企業側に自己PRをおこなう上での支援ツールとして、簡単に「自己分析」ができます。診断のために会員登録が必要な場合もありますが、おおくは無料で支援ツールの利用ができますので、いくつかのツールを併用して総合的に判断することができます。
また、「自己分析」に特化した書籍によるツールの提供もありますので、こちらを活用する方法もあります。有名なものでは「ストレングス・ファインダー」といった「才能発見ツール」があります。このツールではWebサイトで177の質問に答えることによって、34個の資質のうち、もっとも自分に適性のある5個の資質を診断結果として知ることができます。
まずはこれらのツールを活用して、自分のもつ「才能」に仮説を立てることからはじめましょう。
「才能の候補」の探索
つぎに過去の経験やエピソードをとおして「才能」を見つけ出す方法を試してみましょう。また、自分自身の価値観だけでなく、他人への質問をとおしてさらに客観的な意見も組み合わせていきます。
手順1|過去の経験やエピソードの棚卸
まずは、自分自身の過去の出来事を振り返ることからはじめます。
- 過去に没頭もしくは成功した体験を1つ選ぶ
- 選択した体験の具体的な行動を時系列化する
- チェック項目を照会して「才能の候補」を探し出す
・力を入れずに頑張っていた
・自分らしさを感じていた
・待ち遠しかった
・自発的に行動していた
・習得が早かった
⇒ 4つ以上該当するものが「才能の候補」です
手順2|自分への質問
つぎに自分自身に質問をします。
- 他人にイラっとすることは?
- 親や先生によく注意されることは?
- ダメと禁止されると辛いことは?
- 他人は嫌がるのに自分は楽しいと思うことは?
- 他人から褒められて意外だったことは?
この質問によってわかることは次の内容です。
- 他人との比較で自分のなかでの「当たり前にできること」がわかる
- 他人とはちがう「目立ったポイント」がわかる
- 無意識的に「つい、やってしまう」ことがわかる
- 「才能」が発揮されていると、仕事でさえ「遊びの感覚」になっている
- 「才能」が発揮されていれば、頑張っていなくても褒められる
手順3|他人への質問
さいごに他人に質問をしてみましょう。
- 他の人と比べてちがっているところは?
- 何をしているときが楽しそう?
この質問によってわかることは次の内容です。
- 客観的な視点にもとづいた「目立ったポイント」がわかる
- 外側にあふれ出ている「内発的動機」がわかる
「内発的動機」の特定
「本当の「才能」とは?「人よりもうまくできること」ではない?」にて、楽しさや有能感があり、繰り返すほどに活力が湧いてくる感覚のことを「内発的動機」と定義しました。こちらでは自分自身の「内発的動機」がどういったものなのかを、具体的な手順にそって確認していきましょう。
手順1|「内発的動機」の候補を洗い出す
「内発的動機」にかかわる質問を以下に並べていますので、各項目について3つ以上の回答をしてみましょう。回答内容は次の設問にもつかいますのでメモ書きしておいてください。
- 「趣味」や「楽しくて継続していること」は?
- 他人との会話のなかで時間を忘れるほど興味のあるテーマは?
- 自分の人生で学び続きたいと思えるテーマは?
手順2|目的や理由の探求
目的や理由を深掘りするために、手順1の回答に対して次の内容をメモに書き足してみましょう。回答を確認しながら、「共通する言葉」をいくつかピックアップしてみてください。
- どんなところが楽しい?
- どんなところに意義や価値を感じているのか?
- 何を得たいと思っているのか?
- どんなことを大切にしているのか?
手順3|「内発的動機」の検証
手順2の回答内容をもって「内発的動機」に該当するかどうかを確認しましょう。以下の質問回答が「No」であれば、「内発的動機」に該当しない可能性があります。
- 「経済的な報酬」や「他者の評価」がなくても価値を感じるか?
- たとえ結果がともなわなかったとしても、その行為自体に満足感をもっているか?
「才能の候補」と「内発的動機」の共通項
診断ツールを活用して得られた仮説をもとにして、ここまでで見つけ出した「才能の候補」と、自分自身のもつ「内発的動機」の共通する点を探してみましょう。
「内発的動機」をともなう「才能の候補」であれば、それは本当の意味での「才能」である可能性が高いといえます。本当の意味での「才能」は、いくつかの「才能の候補」のなかでも、繰り返すほどに自然と自分の内側から活力が湧いてくるもののなかにあります。
つまり、この2つが交わるところが本当の意味での「才能」になります。
まとめ
最後までお疲れ様でした。
いくつかのステップを踏んでいただきましたが、いままで漠然としていた「才能」がより明確になったのではないでしょうか?
もしかしたら意外なところに「才能」が見つかったかもしれません。しかし、「才能」というものは見つけてからが大切です。「才能」が見つかったからと言って、何かが変わるわけではありません。
つぎは「才能の使い方」について「才能の使い方|短所をおさえて長所を磨く」にてご紹介をしますので、興味があれば読み進めてください。
例えば、「部活動でレギュラー争いを勝ち抜いた」といった体験の場合、
などといったかたちで時系列化します。