【エクセル】セルの「絶対参照」と「相対参照」のちがいを図解で説明

エクセル

「Excelで数式をコピーしたとき、なぜか計算結果が変わってしまった」という経験はありませんか?それは「セル参照の仕組み」が原因かもしれません。

こちらでは、エクセル初学者がつまずきやすい「絶対参照」と「相対参照」のちがいを、図解をつかってわかりやすくご説明します。

ふたつのちがいがわかると、同じ計算を繰り返し行う作業を効率化でき、数式のミスを防いで正確なデータ処理ができるようになります。

ぜひ実際にエクセルを開いて2つのちがいを理解しておきましょう。

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そもそも「セルの参照」とは?

エクセルでは、セルに「他のセルの値」を指定することができます。

例えば、セル「A2」に「=A1」と入力すると、セル「A1」の値を参照することができます。以下のとおり、セル「A2」に入力されている値と、表示されている値が一致していないことが確認できます。

数式を用いた場合であっても同じように「セルの参照」を使用することができます。セル「A3」には、セル「A1」と「A2」を足し算した結果を表示させています。

他のセルを参照しているため、参照元のセル「A1」の値を変更すれば、セル「A3」の計算結果が自動的に変更されます。

「相対参照」とは?

「相対参照」とは、数式を他のセルにコピーした際、参照セルがコピー先の位置に応じて自動的に変更される機能のことです。

エクセルの初期設定では「相対参照」が設定されています。
そのため、特に設定することなく数式をコピーした場合には、この「相対参照」が適用されます。

  • 数式をコピーすると、参照先のセルも位置に応じて変化する
  • エクセルの初期設定では「相対参照」が標準となっている

例えば、以下で数式が入力されているセル「A3」をコピーしてセル「B3」に貼り付けた場合、自動的にセルの参照先が変更されているため、計算結果が「2」ではなく「4」になっていることが確認できます。

「絶対参照」とは?

「絶対参照」とは、数式を他のセルにコピーした際、参照セルがコピー先の位置に応じて自動的に変更されない機能のことです。

エクセルの初期設定ではないため、任意での設定が必要となります。
具体的には、セルを「絶対参照」にする際には、セル番地の前に記号「$」を付けます。

  • 数式をコピーしても、参照先のセルが固定される
  • 固定したいセルの番地前に記号「$」をつける

記号「$」を使うことによって、「$」の後ろの値が固定されます。

例えば、以下はセル「A1」を固定する場合の表記ですが、セル「A1」のそれぞれの要素「A」と「1」の前に記号「$」を追加しています。このことによって、セル「A1」をつかった数式をコピーした場合、セル「A1」が参照されていることが確認できます。

ちなみに、「A」は縦方向の「列」、「1」は横方向の「行」を表しています。

「複合参照」とは?

「複合参照」とは、「相対参照」と「絶対参照」を組み合わせて使用し、行もしくは列のどちらかを固定して参照する方法です。

具体例をもちいて説明します。
以下は「九九」を表現したい場合のセル参照先の設定の事例です。

まず、セル「B2」に「=$A2*B$1」と入力することによって、部分的にセル参照値を固定します。セル「A2」の列部分、セル「B1」の行部分を固定しています。

つぎに、セル「B2」の数式を他の範囲にコピーして貼り付けます。

結果、期待どおりの設定になっていることが確認できます。

ここでのポイントはつぎの2点です。

  • 掛けられる数であるセル「A2」の「A」の前に記号「$」を記述することによって、参照列がA列で固定される
  • 掛ける数であるセル「B1」の「1」の前に記号「」を記述することによって、参照行が1行目で固定される

設定方法

セル参照先の設定は、エクセルの数式内でキーボード最上段にあるファンクションキーの「F4」を押下することによって、かんたんに切り替えることができます。

エクセルの数式内でファンクションキー「F4」を押下した回数で、下表のとおりセル参照が切り替えられます。

F4キーの回数結果参照形式
1回$A$1絶対参照
2回A$1行のみ固定
3回$A1列のみ固定
4回A1相対参照

まとめ

エクセルの参照方法を理解することによって、思わぬトラブルを防止することができます。また、積極的に活用することによって作業効率を上げることもできますので、少しでも疑問点が残っているようでしたら、今回ご紹介した内容を実際に再現して確認してみてください。

最後にそれぞれの要点をまとめておきます。

形式概要活用例
相対参照数式をコピーしたときに参照セルの位置が自動的に変わる合計計算やオートフィルでの連続処理
絶対参照数式をコピーしても参照先が変わらない消費税率や定数などの固定値参照
複合参照行または列のいずれか一方だけを固定価格表などの行列の交差計算

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